プログラムディレクターより

私たちの生きる世界、そして時代は、いま、大きく変わろうとしています。簡単には将来を予測出来ないこの「文明史的」な変動の中で、わたしたち舞台芸術の周辺環境にも、大きな地殻変動の兆しを感じます。劇場や舞台創造についての既成概念から逃れて、より自由な発想による作品創造のために開設したアートセンター「若葉町ウォーフ」は、ひろくアジア全域で協働する、冒険心にあふれたアーティストたちのための「波止場のワークショップ」を開催します。ワークショップは、集まったアーティストたちの情報、技術の交換と交流を通して、将来の作品づくりと、そのためのネットワークの形成を目的にしています。2018年度wy現在まで、過去3回の開催(2020年はCOVID-19対応のため、国内参加者と海外とのオンラインミーティングによる変則開催)には、国内、中国各都市、シンガポール、ホーチミン、ジャカルタなど、さまざまな地域からの参加者が2週間の充実した時をともにして、交流の基礎を築きました。COVID-19によってあぶり出された困難な世界に向かって、これまで以上に積極的にかかわっていく意欲にあふれた、演劇、舞踊、音楽など、ジャンルにとらわれない「創造者」たちの、積極的な参加をお待ちしています。


佐藤 信 さとう まこと

劇作家・演出家。1966年に「アンダーグラウンド・シアター自由劇場」の結成に加わり活動をはじめる。70年に「黒色テント68/71」(現・劇団黒テント)を立ち上げ、同劇団の作、演出を担当。以後20年間、全国120都市におよぶ大型テントでの移動公演を継続。80年代より東南アジアを中心に海外の演劇との交流を深める。「アジア演劇」「演劇の公共性」「演劇と教育」「コミュニティシアター」など、演劇と社会の境界線をめぐる発言と実践を続け、近年は中国独立系演劇人、南京昆劇院若手俳優らとの継続的な共同作業など、アジア演劇のオルタナティヴ・ネットワーク形成に力をそそいでいる。97~2002年世田谷パブリックシアター劇場監督。09年より、座・高円寺芸術監督。

2017年6月、独自の活動をおこなうアートセンターを目指して、若葉町ウォーフを開設、活動をはじめる。

WHARF workshop 2025

アジアの舞台芸術にかかわるあたらしい担い手 のための「波止場のワークショップ」 “The Wharf Workshop” for uprising figures who will lead the future of Asian Performing Arts 「码头工作坊」参与亚洲舞台艺术的人为对象

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