波止場のワークショップ記録① opening から佐藤信さん1、2
波止場のワークショップ2019も最終日を終え、早くも1週間がたちます。あれから、自分の家に戻った人、また別の場所へ寄る人、早くも次の現場に合流する人と、それぞれがこのウォーフから次の場所へと立ち去っていきました。
この波止場のワークショップも来年へと続いてゆきます。
ワークショップ期間中にとっていた記録を、編集し、これからブログに載せてゆこうと思います。
長くなりますが、ご興味のある方はどうぞ。
はじめに、初日7/18でのオープニングセッションと、信さんのワーククラス①、②の記録です。
2019/7/18
ワークショップ1日目。
前日、早朝から続々とチェックインしてきた参加者。
それぞれ荷解きをしたり、若葉町を探索したりして昼を過ごし、夜には、ウォーフインのロビーで自然と共にお酒を飲みだす。今朝、最後の日本人参加者を迎え全員が集まる。
【オープニングセッション】
10時~、2Fのスタジオに全員が集まる。
☆はじめに信さんから
「ゆっくりゆっくり立ち上げてゆきましょう。」
との挨拶。
☆ウォーフWSについて
ここで一番やりたい事は、「垣根をこえたい」ということ。
それは例えば「国境」「世代」「ジャンル」「伝統と現代」
そのための方法は2つ【シェア】と【ネットワーク】であると考えている。
一般的にシェアとは便利で効率的なものだと認識されているが、その本質は「所有しない文化」である。そしてこのウォーフも、みんながそれぞれ、できる範囲のものを提供しあう場にしたい。
ネットワークについて。現在では最もPCのネットが発展している。もちろんそのネットの恩恵はうけているが、本質は人と人である。この会(2019WS)も、去年から人が繋がって、こうしてみなさんは集まってくれた。
このWSは訓練の為ではなく、シェアとネットワークの為につかってもらえればと思っている。今回、世界中から、地理的にはアジアからきてくれた皆さん。ポジティブな意味では「観念的なアジア」は今後世界の中で重要になってくる。そんなことを、WS時間外でお話しできたらとも思っている。
演劇は、「テキストを伝える」という要素を持っている。だからこそ、国際的なコラボがやりにくい。それを変えてゆくため、新しい概念が必要である。
それは字幕など、テクニカルで解決できることもある。
ただそうではなく、演劇というものを拡張させて、その概念をかえていく。
今回のWSではそんなことを目指して、最後に1つ作品ができたらなと思っている。
そして、ヒントになるような少し個別なセッションクラスを、様々な講師の方々を招いて行っていく。
☆このワークショップについて将来的に考えている事。
① このWSを継続してゆく
② このWSでのつながりで、これとは別に作品をつくっていく。2,3人でツアーを組めるもので、このネットワークでツアーを組めるもの。(アイディアがあればいつでも教えてほしい。)
③ この若葉町ウォーフをアジアのアーティストたちがパフォーマンスをするフラットホームにしたい。
また、そのためにHPを更新していきたいと思っている。WSについては随時HPに載せていきたいので、書いたこと、撮った写真、どんどん送る。
オープニングセッションは12時まで行われ、その後は13時30分からのワークまでお昼休憩。参加者、講師のプロフィールやワークショップのタイムスケジュールが載った冊子を配り、さっそく午後へ移った。
【信さんワークショップ①】
13時30分からの高橋宏幸さんによるワークを終え(後日アップ)16時から信さんの最初のワークがはじまる。
全員1F劇場にあつまる。
☆ウォームアップ
ウォームアップは、毎回違う人が仕切っていく。
今回は信さんが担当する。
☆ブラインドウォーク
くじ引きで二人一組になる。
一人がアイマスクで目隠しをして、若葉町の街へでていく。
30分歩いたら、目隠しをとってあげる。そのとき、目隠しをはずした人が何を最初に見るか、なるべく工夫してあげる。また、目隠ししているとき、色々なものに触らせてあげる。
そしてまた目隠しをして10分歩いて帰ってくる。
計40分でウォーフへ戻り交代。
ジャカルタから参加のLiswati(サイト内:リスワティ)
重慶から、去年とつづけて参加の卫蔚(ウェイウェイ)ペア
合肥から参加の占 龙准(ロンジュン)
東京から参加の新上貴美ペア
北京から参加の米乐(ミラ)
南京から参加の初夏(Chu Xia)ペア
☆エバレーション
英語が得意組と中国語が得意組に分かれる。
あした、ブラインドウォークの感想をまとめて発表してほしいので、グループで話し合いをしてまとめる。
① 気づいたこと
② おもしろかったこと
③ むずかしかったこと
☆インフォメーション
あした
・ここへきた第一印象
・自分の気持ち
・昨日みたもの
について、各々自己紹介のパフォーマンスを各々してもらうので、そのつもりで、準備する人はして、アイディアを考える人は考えてください。あしたの信さんワーク②で!
初日のワークはここで終了。
この後、ウォーフの近くにあるレストラン「アジアンダイニング」で、歓迎のパーティー
2019/7/19
波止場のワークショップ:二日目
歓迎パーティーから一夜あけ
【信さんワーク②】
10:30~、1Fの劇場にあつまる。
☆ウォームアップ
今回の担当:ミシェル
・部屋中を歩きながら、ミシェルが言う番号で速度をかえていく。
・それをしながら、手を叩いたら、180度方向を変える。
・今度は手を叩いたら、方向を変えて一回しゃがみ込む。
・すれ違った人と握手をしていく。
☆ブラインドウォークの振り返り
前日にしたブラインドウォークの振り返り。エバレーションで出た意見を発表していく。
・ジア・イー:
二人組になったとき、まずはそれぞれのリズムを作っていく時間がありました。そこに、ジェンダーの差が少しあり、自分は女同士だから気にならなかったが、やはり男性がリードする場合すこし時間がかかっていた。
目隠しをしている方が自由になる傾向があり、引っ張る人はより面白いところを歩かせようとした。
信号待ちなどで動かない時、何かしらの形でコンタクトをとりつづけていた。
また、目隠ししている人を、普通の人と扱うことは、少し難しくなった。
・シュウ:
目隠しをしていると、どうしても眠くなってしまった。
目隠しをしていると、すごく他の感覚が研ぎ澄まされた。
ペアが親切な場合、とても信頼感が生まれる。ただ、信頼できない場合、すごく不安、不満をもった。
異性と組むと確かにやりづらい。特に、貴美・ロンジュンのチームは男女ペアだし言葉も通じない。貴美は全然平気だったけれど、ロンジュンが手を取るのをすごく恥ずかしがっていた。
目をとったとき、どれだけ感動するかと想像がふくらみすぎて、あまり感動しなかった。まず、とてもまぶしい。そして周りを見てみると、普通の町だった。
また、それまで研ぎ澄まされていた他の感覚が、目が見えたらすーっともとに戻ってしまった。
前回組んだチームの代表者が、チーム内で出た意見をまとめて発表。それぞれの素直な意見がでる。色々な意見は出たが、目を閉じて得た繊細な感覚を、みんな慎重にくみ取ろうとしているのが印象的であった。また、目隠しして知らない町を歩くという、ペアへの信頼が深まるワークを経たからか、全体的に距離が縮まった様子であった。
☆パフォーマンスの発表
・ここへきた第一印象
・自分の気持ち
・昨日みたもの
で、自己紹介のパフォーマンスをする。
三分~五分。音が鳴るので、途中でもそこでおしまい。
☆発表
・ミシェル
・リスワティ
・ジェンチョン
・ジア・イー
・ロンジュン
・ミラ
・シュウ
・貴美
・リーファ
・初夏
・タイフォン
・寺岡
・ウェイウェイ
・ウェンミン
シンガポールからの参加者であり、リュウ・シャオイが主宰する「避難階段」のメンバーであるJia Yi(ジア・イー)
東京からの参加者である寺越隆喜。
北京から、去年もWSに参加した程文明(ウェンミン)
ステージは、たぶん人間が一番なにをしてもいい空間である。
極端に言えば、何もしないという選択肢もある。ズボンを脱ぎだしたっていい。
そのとき「ここは舞台である」、とプレイヤーは決める必要がある。
多くのプレイヤーは、はじめから舞台上ということを気にしてしまう。そして緊張する。そして一歩目から演じながらでてくる。
これは大きな間違え。まずは集中して自分がでてくる。おもいきって空間に入る。
決まってなくてもいい。入って、そして、空間が、自分のすることが見えてきたら、そこではじめる。
☆インフォメーション
同じパフォーマンスを夜にもう一回やってもらいます。3分から5分、今度は時間になっても音を鳴らさない。
いまやったパフォーマンスに、
【初め、中、おわり】
という簡単なストーリーを入れていく。
信さんワーク②はここで終了。
夜のワークに向けて、各々また考えつつ、昼休憩へ。
制限の関係で今回はここまで、オープニングセッションから、信さんのワーク①②までを紹介しました。
夜にした、発表のブラッシュアップについては、次回載せる予定です。
2019/8/14
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